肘内障(ちゅうないしょう)について
「子どもが急に腕を動かさなくなった」「腕をだらんと下げて泣いている」
そんな時は、肘の靭帯(じんたい)が外れかかっている「肘内障(ちゅうないしょう)」かもしれません。
5歳くらいまでのお子さんにとても多く見られる症状です。
1. 肘内障とは?なぜ起こるの?

肘の関節にある「輪状靭帯(りんじょうじんたい)」というバンドのような組織から、骨(橈骨頭)がすっぽりと抜けかかってしまった状態です。
- 好発年齢:1歳~5歳頃(特に歩き始め~3歳に多い)
- 原因:親御さんが手を引っ張った時、転んで手をついた時、寝返りをした時など
こんな症状があったら要注意!
- 急に泣き出し、腕を動かそうとしない
- 腕をだらんと下げている
- 手首や肩を触っても痛がらないが、腕を曲げようとすると泣く
2. 診察と診断
骨折していないか、他の異常がないかを確認します。
肘内障は骨のズレ(亜脱臼)なので、レントゲンには写りません。
受傷時の状況(手を引っ張ったか等)と、腕の角度や触診によって診断します。
※明らかに転落したり、大きく腫れている場合は骨折の疑いがあるため、レントゲン検査を行うことがあります。

3. 治療(整復)

診断がついたら、その場で医師が手を使って元の位置に戻します。これを「整復(せいふく)」と言います。
治療の流れ
- 医師が肘と手首を持ちます。
- 一瞬だけ、特定の方向に腕を動かします。(一瞬痛みで泣いてしまうことが多いです)
- 「コクッ」という感触(クリック音)があれば整復完了です。
- 数秒~数分で痛みは消えます。
4. 治療後の様子・注意点
整復が成功すると、さっきまでの痛みが嘘のように腕を使い始めます。バンザイができたり、おもちゃを掴めるようになれば治療終了です。
⚠️ 繰り返さないために
肘内障は「癖になりやすい」特徴があります。靭帯が成長してしっかりしてくる小学校入学前くらいまでは、以下の点に注意してください。
- お子さんと手をつなぐ時は、強く引っ張らない
- 急に走り出そうとした時に無理に引き止めない
- 「おかしいな?」と思ったら早めに受診する

「腕が抜けたかも?」と思ったら、休日でも迷わずご相談ください。
時間が経つほど戻りにくくなることがあります。













