🌙 夜尿症(おねしょ)について
5歳以降のおねしょは治療できる病気です
ハリー先生と学ぶおねしょ治療

🌟 お子さまのおねしょでお悩みの方へ
5歳以降のおねしょ
治療が必要な「夜尿症」の可能性があります
決して珍しくありません
小学1年生のクラスに約3~4人のお子さんがいます
適切な治療で改善
生活指導とお薬で約70-80%のお子さんが改善します
夜尿症のメカニズム
🫁 おしっこができるまでの流れ
🫸 腎臓(じんぞう)
血液から老廃物や余分な水分をろ過して尿をつくるところ。左右に2つあります。
🚰 尿管(にょうかん)
尿を腎臓から膀胱に運ぶ管。細いホースのような形をしています。
🎈 膀胱(ぼうこう)
尿をためるところ。風船のように伸び縮みして、尿がたまると教えてくれます。
🚿 尿道(にょうどう)
尿を体の外に出す管。膀胱から体の外につながっています。
💤 夜間の抗利尿ホルモンの働き
🌙 健康なお子さんの場合
寝ている時に脳下垂体が抗利尿ホルモンを増やすように指令して尿を少なくします。そのため夜中におしっこで起きることがありません。
💧 夜尿症のお子さんの場合
抗利尿ホルモンが増えないので尿がたくさん作られてしまいます。膀胱からあふれて夜尿につながります。
脳下垂体の役割
脳下垂体から分泌される抗利尿ホルモン(ADH)が、腎臓に「尿を濃縮して量を減らして」という指令を送ります。夜尿症では、この指令がうまく働かないことがあります。
腎臓での尿生成
腎臓は血液をろ過して尿を作ります。抗利尿ホルモンが十分に働くと、夜間は昼間の半分程度の尿量になります。このバランスが崩れると夜尿の原因となります。
膀胱の容量と成熟
膀胱の大きさや筋肉の発達には個人差があります。十分な尿を溜められるようになる時期も、お子さんによって異なります。これも自然な成長過程の一部です。
夜尿症とは
夜尿症とは、5歳以降のお子さまが月1回以上おねしょをし、それが3ヶ月以上続く状態をいいます。
5歳未満
「おねしょ」
自然な発達過程
5歳以降
「夜尿症」
治療が可能な病気
診断基準
月1回以上×3ヶ月継続
⚠️ 重要なこと
夜尿症はホルモンや神経の成長の個人差から起こるものであり、お子さまや親御さんの責任ではありません。「どうしておねしょするの!」と叱ってしまうと、お子さまの自尊心を傷つけ、学校生活や友人関係にも悪影響を与える可能性があります。
年齢別夜尿症の頻度
夜尿症は決して珍しい病気ではありません。適切な診断と治療により、多くのお子さまが改善されています。
📊 おねしょをするお子さまの割合
🎒 幼稚園年長児
約6-7人に1人のお子さんに夜尿症が見られます
🏫 小学校1-2年生
約10人に1人のお子さんに夜尿症が見られます
🎓 小学校5-6年生
約20人に1人のお子さんに夜尿症が見られます
📋 年齢別詳細データ
年齢 | 夜尿症の頻度 | 備考 |
---|---|---|
5歳 | 15% | 約6-7人に1人 |
7歳 | 10% | 約10人に1人 |
10歳 | 5% | 約20人に1人 |
15歳以上 | 1-2% | 約50-100人に1人 |
小学1年生のクラスには約3~4人の夜尿症のお子さまがいるということです。決して珍しいことではありません。
夜尿症の原因と分類
抗利尿ホルモンの分泌不足
夜間に尿量を減らすホルモンが十分分泌されない状態です。このホルモンの働きにより、健康なお子さんは夜間の尿量が日中の半分程度になります。
膀胱機能の未熟
膀胱に尿を十分に溜められない、または膀胱が小さい状態です。年齢とともに膀胱は大きくなり、機能も発達していきます。
覚醒機能の未熟
膀胱が満杯になっても起きられない状態です。深い眠りから目覚める反応が未発達なことが原因です。
夜尿症の分類
単症候性夜尿症
夜間の尿もれのみで、昼間の症状がない状態です。約80%のお子さんがこのタイプです。
非単症候性夜尿症
夜間の尿もれ + 昼間の尿失禁や頻尿などの症状がある状態です。より専門的な検査と治療が必要です。
生活指導について
🏠 生活指導の重要性
薬物療法と並んで、生活習慣の改善は夜尿症治療の基本です。軽症例では約30-40%のお子さんが生活指導のみで改善します。
📋 生活改善の7つのポイント
基本的な生活習慣
⏰ 規則正しい生活をする
夜更かしや不規則な生活はおねしょを悪化させます。早寝、早起き、決まった時間の食事を心がけましょう。夕食は少し控えめにして早めにとり、夕食後から寝るまでは、可能なら2〜3時間あけましょう。
💧 水分の取り方に気をつける
寝る前に水分を取り過ぎると、おねしょにつながります。ただし、水分は体にとても大切ですので、朝食と昼食ではたっぷり取ってください。昼食後からは水分を控えめにし、夕食後から寝るまではコップ1杯(200cc)程度の水分量にとどめましょう。
🧂 塩分を控える
塩分を取り過ぎると、のどが渇き水分を多く取ってしまい、おねしょしやすくなります。また塩分の取り過ぎは、水分を取り過ぎていない場合でも、おねしょの原因になります。みそ汁やうめぼしなどの塩分の多い食べ物は控えめにしましょう。
実践的な対策
💩 便秘に気をつける
便秘があると、膀胱を圧迫しておねしょが悪化することがあります。食物繊維を多く含む食べ物をたくさん食べることを心がけましょう。
🚽 寝る前にトイレに行く
トイレに行ってから寝る習慣をつけましょう。布団に入り30分から1時間たっても寝付けない時は、もう一度トイレに行きましょう。
🧦 寝ている時の寒さ(冷え)から守る
冷えは尿量の増加や膀胱の縮小につながります。特に冬は、下着を重ね、靴下をはき、体を冷やさないように温かくして寝ましょう。
🌙 夜中、無理にトイレに起こさない
保護者の都合で夜中にトイレに起こしても夜尿症治療に効果はありません。ただし、宿泊行事の時に、あくまで緊急避難的に夜中に起こすことは問題ありません。
💡 生活指導のまとめ
✅ 積極的に行うこと
- 規則正しい生活リズム
- 朝食・昼食での十分な水分補給
- 食物繊維の豊富な食事
- 就寝前の必ずトイレ
- 体を温かく保つ工夫
❌ 控えめにすること
- 夕食後から就寝までの水分(コップ1杯程度まで)
- 塩分の多い食べ物(みそ汁、うめぼしなど)
- 夜更かしや不規則な生活
- 夜中に無理に起こすこと
- 体を冷やす環境
薬物療法について
💊 効果的な治療法
当院では、お子さんの症状に合わせて適切なお薬を選択し、安全で効果的な治療を行います。
🔬 薬物療法・効く理由
💡 2つのお薬の働き方
🧠 脳下垂体ホルモン薬
薬を飲む前:腎臓で通常通りの尿が作られる
薬を飲むと:抗利尿ホルモンが増える
結果:作られる尿の量が減る
💧 夜間の尿量が少なくなり、膀胱からあふれにくくなります
💪 抗コリン薬
薬を飲む前:膀胱は通常のサイズ
薬を飲むと:膀胱の筋肉が弛緩して大きくなる
結果:尿をためやすくなる
🎈 より多くの尿を膀胱に溜められるようになります
🎯 2つのお薬を組み合わせると
「尿の量を減らす」 + 「膀胱を大きくする」 = より効果的な治療
脳下垂体ホルモン薬
作用機序
体内で尿の量や水分を調節しているホルモン(バソプレシン)と同じような作用があり、尿を濃縮してその量を減らす働きがあります。
服用方法
1日1回、寝る前に服用します。
効果
約60-70%のお子さんで効果が見られます。
注意点
- 水中毒予防のため水分制限が必要
- 発熱時や下痢・嘔吐時は医師に相談
- 定期的な経過観察が重要
抗コリン薬
作用機序
薬を飲むと膀胱の筋肉が弛緩して大きくなって、尿量をためやすくなります。
服用方法
1日1-2回服用します。
効果
膀胱容量が小さいお子さんに特に効果的です。
注意点
- 口の渇きや便秘などの副作用
- 定期的な効果判定が必要
- 他の薬との相互作用に注意
その他(漢方など)
個別対応
お子さまがもつ症状に合わせて、漢方薬を用いることがあります。
併用療法
症状によっては複数のお薬を組み合わせて使用する場合があります。
夜尿症のお薬は使い分けたり併用したりします。詳しくは、医師や薬剤師などにご相談ください。
🛡️ 安全性について
📊 定期的なモニタリング
お薬の効果と副作用を定期的にチェックし、必要に応じて用量調整を行います。
👤 個別化治療
お子さま一人ひとりの体重、年齢、症状に合わせて最適な薬剤と用量を決定します。
💬 密なコミュニケーション
気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。24時間電話相談も対応しています。
治療スケジュール
📈 おねしょが治る率
💡 治療の効果が一目でわかります
治療した子
約25%
約50%
約80%
治療しなかった子
約8%
約15%
約22%
🎯 重要なポイント
治療を受けることで、約4倍早く治すことができます!
2年後には約80%のお子さんが改善し、お泊まりや修学旅行も安心して参加できるようになります。
治療の流れ
Step 1: 初回受診
詳しい問診・身体診察・検尿・血液検査を行います。
Step 2: 治療開始
生活習慣改善・薬物療法を開始します。病院を受診される方はすでに生活習慣改善に取り組まれている方も多いため、初回から薬物療法を行うこともあります。
Step 3: 定期フォロー
1-2ヶ月ごとに治療効果を確認し、調整を行います。
Step 4: 治療完了
3ヶ月連続で夜尿がなくなることを目標とします。
🎯 治療目標と統計
ご家族へのサポート
夜尿症の治療は、お子さまだけでなく、ご家族全体でのサポートが大切です。当院では包括的なケアを提供いたします。
医療サポート
- 専門医による継続診療
小児神経学会専門医による包括的ケア - 個別治療計画
お子さま一人ひとりに最適化された治療 - 副作用管理
安全で効果的な薬物管理 - 緊急時対応
治療中の疑問や不安への迅速対応
心理的サポート
- お子さまへの配慮
自尊心を守る温かいケア - 家族カウンセリング
保護者の不安や疑問の解消 - 学校生活のサポート
宿泊行事への対応相談 - 兄弟姉妹への配慮
家族全体での理解促進
情報提供・教育
- 病気の正しい理解
科学的根拠に基づく説明 - 治療方法の詳細説明
効果とリスクの適切な情報提供 - 生活指導の具体的方法
実践しやすいアドバイス - 進学・進級への準備
長期的な見通しとサポート
地域連携
- 学校との連携
必要に応じた教育機関との情報共有 - 専門機関紹介
心理カウンセリングなど追加サポート - 患者会情報
同じ悩みを持つ家族との交流機会 - 最新情報提供
治療法の進歩や研究情報の共有
相談・予約について
🏥 当院での夜尿症診療
当院では、「お子さんと、そのご家族」を対象に、夜尿症の診断と治療をご案内しています。
まずは、一般外来で診断やスケジュールをご相談頂き、治療を進めていく形になります。
📅 予約の流れ
Web予約
一般外来の予約を取得し、フリーコメントに「夜尿症相談希望」とお書きください。
問診票記入
受診までに「夜尿症専用の問診票」にご回答ください。
初回受診
詳しい診察を行い、お子さまに最適な治療計画を立てます。
🎒 受診時にお持ちいただくもの
必須のもの
- 母子手帳
- お薬手帳(服用中のお薬がある場合)
- 夜尿の記録(頻度や状況がわかるもの)
- 他院での検査結果(ある場合)
あると参考になるもの
- 睡眠パターンの記録
- 水分摂取量の記録
- 便通の状況
- 気になる症状のメモ
よくある質問
5歳以降で月1回以上のおねしょが3ヶ月続いている場合は、治療を検討することをお勧めします。お子さまの学校生活や自尊心に影響を与える前に、早めの相談が大切です。
いいえ。多くの場合、3ヶ月連続で夜尿がなくなったら薬を徐々に減らし、最終的には中止できます。お子さまの成長とともに自然に改善することが多いです。
事前にご相談ください。一時的な対応方法をお教えします。また、学校との連携も必要に応じてサポートいたします。お子さまが安心して参加できるよう配慮いたします。
遺伝的要素があるため、兄弟姉妹でも夜尿症になる可能性はやや高くなります。ただし、必ずしも発症するわけではありません。個人差が大きいのも特徴です。
お子さまを叱らず、温かく見守ることが最も大切です。また、定期的な通院を継続し、薬の服用を正しく行ってください。気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
🏆 専門的な夜尿症治療
🔬 専門医による診療
日本小児神経学会専門医が、豊富な経験をもとに個別化された治療を提供します。
🤝 おねしょ卒業!プロジェクト参加
当クリニックはおねしょ卒業!プロジェクトに参加しており、最新の治療情報を提供しています。
📊 治療実績
多くのお子さまの夜尿症治療を成功に導いた実績があります。安心してお任せください。
ご注意事項
⏰ 治療期間について
夜尿症の治療には時間がかかることがあります。個人差はありますが、通常3ヶ月から1年程度の治療期間を要します。
💝 温かい見守り
お子さまを叱らず、温かく見守ってください。叱ることで症状が悪化したり、お子さまの心に傷を残すことがあります。
🏥 定期通院
治療中は定期的な通院が必要です。薬の効果や副作用の確認、治療方針の調整を行います。
🔍 基礎疾患の確認
他の病気が隠れている場合もあるため、初回受診時に検査を行うことがあります。お子さまの健康状態を総合的に確認します。