横浜市都筑区中川の小児科・小児神経内科

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夜尿症

夜尿症(おねしょ)のアイコン

夜尿症(おねしょ)

5歳を過ぎても続くおねしょは、治療で治るまでの期間を短くできます。
生活のコツから、お薬・アラーム療法まで、ご説明します

最終更新:2026年10月14日

お子さんのおねしょで、お悩みの方へ

夜尿症とは

5歳を過ぎても、月1回以上のおねしょが3か月以上続く状態です

めずらしくありません

小学1年生の約10人に1人
1クラスに3〜4人ほどいる計算です

だれのせいでもありません

体の成長の個人差によるもので、お子さんの性格や、育て方のせいではありません

📅 ご予約は「一般外来」から

WEB予約で一般外来をお取りいただき、フリーコメント欄に「夜尿症相談希望」とお書きください。

受診までに、夜尿症専用の問診票へのご回答をお願いします。

ハリー先生と学ぶ、おねしょのこと

1コマ目。男の子「ボク、夜になるのがこわいんだ」。ハリー先生「どうしたんだい?」
2コマ目。男の子「だって、またおねしょするかもしれないし…母さんにもめいわくかけるし…」。ハリー先生「大丈夫!おねしょは治せるよ」
3コマ目。ハリー先生「いろんな治療法があるんだよ」。生活改善とお薬治療の札。男の子「え〜っ」
4コマ目。男の子「良くなったらお泊まりにいきたいな!」。ハリー先生「いいね!このページで一緒に学んでみようか」

夜尿症とは・どのくらいいるの?

5歳より前のおねしょは、成長の途中でよくあることです。

5歳を過ぎても、月1回以上のおねしょが3か月以上続く場合を「夜尿症」といい、治療の対象になります。

年齢とともに少しずつ減っていきますが、小学校高学年になっても続くお子さんもいます。

おねしょをするお子さんの割合。幼稚園年長児で約15%、小学校1〜2年生で約10%、小学校5〜6年生で約5%
画像を押すと、大きく表示されます
年齢夜尿症のあるお子さん
5歳ごろ約15%(6〜7人に1人)
小学1〜2年生約10%(10人に1人)
小学5〜6年生約5%(20人に1人)
15歳以上約1〜2%

おねしょが起こるしくみ

眠っている間は、脳から「抗利尿(こうりにょう)ホルモン」が多く出て、夜につくられる尿の量が少なくなります。

夜尿症のお子さんでは、次の3つが重なって、ぼうこうから尿があふれてしまいます。

おしっこの通り道。腎臓は血液から老廃物や余分な水分をろ過して尿をつくるところ、尿管は尿を腎臓から膀胱に運ぶ管、膀胱は尿をためるところ、尿道は尿を体の外に出す管
おしっこの通り道(押すと大きく表示されます)
眠っている間のホルモンの働き。健康なお子さんでは、脳下垂体が抗利尿ホルモンを増やすよう指令して尿が少なくなる。夜尿症のお子さんでは、抗利尿ホルモンが増えないので尿がたくさん作られる
眠っている間のホルモンの働き(押すと大きく表示されます)

💧 夜の尿が多い

眠っている間に抗利尿ホルモンが十分に出ず、夜につくられる尿の量が多くなります。

🎈 ぼうこうにためられる量が少ない

ぼうこうの大きさや働きには個人差があり、夜の間の尿をためきれないことがあります。

😴 尿意で目が覚めにくい

ぼうこうがいっぱいになっても、眠りが深くて目を覚ますことができません。

ご両親が子どものころに夜尿症だった場合、お子さんもなりやすいことがわかっています(体質が関係します)。

早めに相談してほしいとき

⚠️ こんなときは、ほかの病気が隠れていないか確かめます

  • 昼間もおもらしをする、トイレが近い、急にがまんできなくなる
  • 半年以上おねしょがなかったのに、また始まった
  • のどがよく渇いて、水をたくさん飲む・尿の量が多い
  • 大きないびきをかく、眠っている間に呼吸が止まる
  • 便秘がある、下着に便がつく
  • おしっこのときに痛がる、熱が出る

昼間の症状がないおねしょ(いちばん多いタイプ)でも、小学校に入ってもおねしょが続くときや、本人が気にしているときは、お気軽にご相談ください。

おうちでできる7つのコツ

生活のコツは、すべての治療の土台です。お薬やアラームで治療をするときも、続けていきます。

① 規則正しい生活をする

早寝・早起き、決まった時間の食事を心がけましょう。夕食は少し控えめにして早めにとり、夕食から寝るまでは、できれば2〜3時間あけましょう。

② 水分のとり方に気をつける

水分は朝食と昼食でしっかりとり、昼食のあとからは控えめにします。夕食後から寝るまでは、コップ1杯(200mL)ほどにとどめましょう。

③ 塩分を控える

塩分をとりすぎると、のどが渇いて水分が増え、おねしょにつながります。みそ汁や梅干しなど、塩分の多いものは夕食で控えめに。

④ 便秘に気をつける

便秘があると、腸がぼうこうを押して、おねしょが増えることがあります。野菜など食物繊維の多い食事を心がけましょう。

⑤ 寝る前にトイレに行く

トイレに行ってから寝る習慣をつけましょう。布団に入って30分〜1時間たっても眠れないときは、もう一度トイレへ。

⑥ 体を冷やさない

冷えると尿が増え、ぼうこうも縮みやすくなります。とくに冬は、下着を重ねたり靴下をはいたりして、温かくして寝ましょう。

⑦ 夜中に無理に起こさない

夜中に起こしてトイレに行かせても、治療の効果はありません。宿泊行事のときなどに、一時的に起こすのは構いません。

🌟 全部を完璧にしなくて大丈夫です

できることから、少しずつ始めましょう。続けることがいちばん大切です。

治療の方法

生活のコツを続けても良くならないときは、お薬(抗利尿ホルモン薬)かアラーム療法を始めます。日本の「夜尿症診療ガイドライン」でも、この2つが最初に選ぶ治療とされています。

お子さんの夜の尿の量や、ぼうこうにためられる量、ご家族の生活に合わせて、一緒に選びます。

💊 抗利尿ホルモン薬(デスモプレシン)

夜につくられる尿の量を減らすお薬です。夜の尿が多いタイプのお子さんに効きやすいお薬です。

  • 1日1回、寝る前に飲みます(舌の上で溶かして、水なしで飲む錠剤)
  • 飲む2〜3時間前(夕食後)から翌朝までは、水分をできるだけ控えます
  • 原則として6歳以上のお子さんに使います

🔔 アラーム療法

下着につけたセンサーが、おねしょでぬれるとアラームで知らせる機械を使います。くり返すうちに、尿意で目が覚めたり、朝までためられたりするようになります。

  • 毎晩使います。アラームで起きないときは、ご家族が起こしてあげてください
  • 効果が出るまで1〜2か月ほどかかることがあります
  • 治ったあとに、再びおねしょが始まることが少ない治療です
  • 機械は保険がきかないため、ご家庭で購入やレンタルをしていただきます

🧪 抗コリン薬

ぼうこうの筋肉をゆるめて、尿をためられる量を増やすお薬です。

  • 昼間の症状がある場合や、ぼうこうにためられる量が少ない場合に使います
  • 抗利尿ホルモン薬と組み合わせることが多いお薬です
  • 便秘や口の渇きが出ることがあります

このほか、お子さんの体質に合わせて漢方薬を使うこともあります。

お薬の種類。脳下垂体ホルモン薬は、尿の量や水分を調節しているホルモン(バソプレシン)と同じような作用で、尿を濃くして量を減らす。抗コリン薬は、膀胱の筋肉をゆるめて大きくし、尿をためやすくする。その他、症状に合わせて漢方薬を使うことがある
お薬の種類(押すと大きく表示されます)
お薬が効く理由。脳下垂体ホルモン薬(抗利尿ホルモン薬)を飲むと抗利尿ホルモンが増え、作られる尿の量が減る。抗コリン薬を飲むと、膀胱の筋肉がゆるんで大きくなり、尿をためやすくなる
お薬が効く理由(押すと大きく表示されます)

💧 抗利尿ホルモン薬を飲んでいる間の注意

お薬で尿が減っている間に水分をとりすぎると、体に水がたまりすぎる「水中毒(低ナトリウム血症)」を起こすことがあります。夜の水分を控える約束を、必ず守ってください。

熱がある、吐いている、下痢をしているなど、水分をとる必要があるときは、お薬をお休みしてください。

飲んだあとに、頭痛・吐き気・だるさが出たときは、お薬をやめて、当院にご連絡ください。

治療の効果

夜尿症は、治療をしなくても1年に約15%ずつ自然に治っていくといわれています。けれども、治療をした方が、早く治るお子さんが多いことがわかっています。

おねしょが治る率のグラフ。治療した子は6か月後に約25%、1年後に約50%、2年後に約70%。治療しなかった子は6か月後に約8%、1年後に約15%、2年後に約25%
出典:帆足英一. 小児臨床 2012;65(4):931-939(押すと大きく表示されます)
治るまでの期間治療した子治療しなかった子
6か月後約25%約8%
1年後約50%約15%
2年後約70%約25%

治療を始めたら、1〜2か月ごとに受診していただき、効果を見ながらお薬の量や治療法を調整します。おねしょのない状態が続いたら、お薬は少しずつ減らしてやめていきます。

お泊まり・宿泊行事のとき

📆 できれば数か月前にご相談を

治療の効果が出るまでには時間がかかることがあります。林間学校や修学旅行などの予定がわかったら、早めにご相談ください。

🏫 先生への伝え方

夜中に一度起こしてもらう、着替えをそっと用意してもらうなど、周りに気づかれにくい方法を、先生と相談しておきましょう。

🎒 持ち物の工夫

夜用の紙パンツや吸水パッド、着替え、ビニール袋などを用意しておくと、本人も安心して参加できます。

受診の流れ・持ち物

ステップ1

ご予約

WEB予約で一般外来をお取りいただき、フリーコメントに「夜尿症相談希望」とお書きください。受診までに、夜尿症専用の問診票にご回答ください。

ステップ2

初めての受診

おねしょの様子をくわしくうかがい、診察と尿検査を行います。必要に応じて、血液検査などを行います。

ステップ3

治療を始める

生活のコツと、お子さんに合った治療法をご提案します。すでに生活のコツに取り組まれている場合は、最初からお薬などを始めることもあります。

ステップ4

定期的な受診

1〜2か月ごとに効果を確かめ、治療を調整します。おねしょのない状態が続いたら、少しずつ治療を終えていきます。

受診の日にお持ちください

  • おねしょの記録(あった日・なかった日)
  • 母子健康手帳
  • お薬手帳(飲んでいるお薬がある場合)
  • ほかの病院での検査結果(ある場合)

記録しておくと役立つこと

  • 寝る前に飲んだ水分の量
  • 寝た時刻・起きた時刻
  • 朝の紙パンツの重さ(夜の尿の量がわかります)
  • 便の出かた(便秘がないか)

ご家族へのお願い

🙅 叱らない

おねしょは、本人の努力ではどうにもならないことです。叱ると自信をなくし、かえって治りにくくなることがあります。

👏 できた日はほめる

おねしょをしなかった朝は、たくさんほめてあげてください。カレンダーにシールを貼るのも励みになります。

👪 比べない

きょうだいやお友だちと比べないでください。治るまでの早さは、一人ひとり違います。

当院の夜尿症診療

小児科の専門医が担当

日本小児科学会の専門医・指導医で、日本小児神経学会の専門医でもある院長が、診断から治療まで担当します。

おねしょ卒業!プロジェクト

当院は、夜尿症の正しい知識と治療を広める「おねしょ卒業!プロジェクト」に参加しています。

学校生活のご相談

宿泊行事への参加や、学校への伝え方など、お子さんの生活に合わせてご相談に応じます。

よくあるご質問

Q. 何歳から治療を始めればいいですか?
5歳を過ぎて、月1回以上のおねしょが3か月以上続いていれば夜尿症です。小学校に入ってもおねしょが続くとき、本人が気にしているとき、宿泊行事が近いときは、ご相談ください。小学校に入る前は、まず生活のコツと便秘の治療から始めます。
Q. 治療しなくても、自然に治りますか?
1年に約15%ずつ自然に治っていくといわれています。ただ、治療をした方が早く治るお子さんが多いことがわかっています。
Q. 夜中に起こして、トイレに行かせたほうがいいですか?
いいえ。夜中に起こしてトイレに行かせても、治療の効果はありません。宿泊行事のときなどに、一時的に起こすのは構いません。
Q. 紙パンツ(おむつ)は、やめたほうがいいですか?
使って構いません。朝に紙パンツの重さを量ると、夜の尿の量がわかり、治療を選ぶ参考になります。
Q. お薬は、ずっと飲み続けるのですか?
いいえ。効果を見ながら続け、おねしょのない状態が続いたら、少しずつ減らしてやめていきます。急にやめるより、少しずつ減らす方が、再びおねしょが始まりにくいとされています。
Q. 宿泊行事があるときは、どうすればいいですか?
治療の効果が出るまでには時間がかかることがあるので、できれば数か月前にご相談ください。お薬の使い方や、先生への伝え方などを一緒に考えます。
Q. きょうだいも夜尿症になりやすいですか?
体質が関係するため、ご家族に夜尿症があった場合、なりやすいことがわかっています。ただし、必ずなるわけではなく、個人差が大きいのも特徴です。
Q. 治療中に気をつけることはありますか?
お子さんを叱らず、温かく見守ることがいちばん大切です。抗利尿ホルモン薬を飲んでいる間は、夜の水分を控える約束を守り、熱・嘔吐・下痢のときはお休みしてください。気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。
Q. 予約はどうすればいいですか?
WEB予約で一般外来をお取りいただき、フリーコメントに「夜尿症相談希望」とお書きください。受診までに、夜尿症専用の問診票にご回答ください。

質問を押すと、答えが開きます。

保護者の皆さまへ

おねしょは、お子さん自身がいちばん気にしていることも少なくありません。夜尿症は、成長の個人差から起こるもので、治療で治るまでの期間を短くできる病気です。

大切なのは、「一人で悩まない」ことです。宿泊行事やお友だちとのお泊まりなど、学校生活での心配ごとも含めて、どうぞ気軽にご相談ください。お子さんが自信を持って過ごせるよう、ご家族と一緒に取り組んでいきます。

ハリーこどもクリニック 院長 伊藤 正範

ご相談・ご予約

おねしょのご相談は、一般外来のご予約で受け付けています。フリーコメントに「夜尿症相談希望」とお書きください。

受診のときのお願い:夜尿症専用の問診票へのご回答/おねしょの記録/母子健康手帳/お薬手帳(飲んでいるお薬がある場合)

お電話:045-913-0501

参考:日本夜尿症学会「夜尿症診療ガイドライン2021」/おねしょ卒業!プロジェクト/帆足英一. 小児臨床 2012;65(4):931-939

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