小児欠神てんかんについて
小児欠神てんかんは、4~10歳頃(特に小学校入学前後)のお子さんに見られるてんかんの一種です。
「突然数秒間意識が途切れてぼーっとする」という発作が特徴ですが、授業中の居眠りや集中力不足と間違われやすく、周囲が気づきにくいことがあります。適切な治療を行えば、多くのお子さんが思春期までに治癒します。
1. 好発年齢と頻度
- 発症年齢:4歳~10歳頃(ピークは5~7歳)
- 性別:やや女児に多い傾向があります
- 頻度:小児てんかん全体の約10%を占める、比較的頻度の高いものです
2. どのような症状(発作)が起きるのか
前兆なく突然始まり、突然終わるのが特徴です。
- 突然動作が止まる(食事中、会話中、歩行中など)
- 目はうつろになり、一点を見つめる(呼びかけに反応しない)
- まばたきが増える(パチパチする)
- 発作の時間は数秒~10秒程度と短い
- 1日に数回~数十回、多いときは百回以上繰り返す
- 発作が終わると、何事もなかったように直前の動作を再開する
- 本人に発作中の記憶はない

⚠️ 見逃されやすいポイント
発作が短く、倒れたりけいれんしたりしないため、学校や家庭で以下のように誤解されていることがよくあります。
- 「授業中いつもぼんやりしている」
- 「話を聞いていない」
- 「夜更かしやゲームのしすぎではないか」
こうした様子が頻繁に見られる場合は、一度専門医への受診をおすすめします。
3. 診断方法
診断には詳細な問診と、脳波検査が不可欠です。
発作の様子、頻度、持続時間などを詳しく伺います。「過呼吸(フーフーと息をすること)」で発作が誘発されやすいため、診察室で確認することもあります。
小児欠神てんかんに非常に特徴的な「3Hz棘徐波複合(きょくじょはふくごう)」という脳波パターンを確認することで診断が確定します。

特徴的な3Hz棘徐波複合パターン
4. 治療と予後
基本的に「年齢依存性てんかん」と呼ばれ、成長とともに自然に治まることが多い良性なてんかんですが、学習への影響や事故防止のため、薬物治療を行います。
主な治療薬
バルプロ酸ナトリウム
- 欠神発作に高い効果があります。
- 全身のけいれん(強直間代発作)も抑制できます。
- 第一選択薬としてよく使われます。
エトスクシミド
- 欠神発作に特異的に効果があります。
- 全身のけいれんには効果が弱いため、欠神発作のみの場合に使われます。
※カルバマゼピンなどの一部の抗てんかん薬は、かえって発作を悪化させることがあるため、正確な診断に基づく薬の選択が重要です。
予後(将来の見通し)
予後は良好です。
適切な治療を行えば発作は抑制され、約70~80%のお子さんは12歳頃(思春期)までに発作がなくなり、薬を卒業できます。
ただし、一部の方は思春期に全身けいれん(強直間代発作)を合併することがあるため、医師の指示通りに服薬と通院を続けることが大切です。
当院の診療体制
ハリーこどもクリニックでは、日本小児神経学会専門医・日本てんかん学会専門医である院長が診療にあたります。
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専門医による診断
てんかんかどうかの見極めから、最適な薬の調整まで行います。
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院内脳波検査が可能
クリニック内で脳波検査を実施できる体制を整えており、迅速な診断が可能です。
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生活・学習面のサポート
学校生活での注意点や、学習への影響など、お子さんを取り巻く環境も含めてご相談に応じます。
「授業中ぼーっとしていると言われた」「まばたきが気になる」など、
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。







