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多項目同時PCR検査機器(BioFire SpotFire Rパネル)導入のお知らせ

最新PCR検査技術で15種類の病原体を同時検出

当院では、患者様の診断精度向上と負担軽減を目指し、このたびビオメリュー社製のBioFire SpotFire Rパネルを導入いたしました。この革新的な検査機器は、PCR法の一つであるMultiplex-Nested PCR法を採用し、たった1回の検査で15種類の呼吸器感染症の病原体を同時に診断することができます。従来は複数回の検査が必要で、患者様の身体的負担が大きかった検査が、1回の検体採取で完了するようになりました。

主要な呼吸器感染症の原因を15分で特定

検査時間はわずか15分程度で、前処理時間を含めても非常に短時間で結果が判明します。これにより、診断から治療開始までの時間を大幅に短縮することが可能となり、より効果的な治療を早期に開始することができます。

本検査で診断可能な病原体は以下の15種類です:

ウイルス(11種類)

  • 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
  • 季節性コロナウイルス
  • インフルエンザA
  • インフルエンザA/H1-2009
  • インフルエンザA/H3
  • インフルエンザB
  • RSウイルス
  • アデノウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • ヒトライノウイルス/エンテロウイルス
  • パラインフルエンザウイルス

細菌(4種類)

  • Bordetella pertussis(百日咳菌)
  • Bordetella parapertussis(パラ百日咳菌)
  • Chlamydia pneumoniae(クラミジア・ニューモニエ)
  • Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ)

特に、従来の検査方法では診断が困難であった百日咳やマイコプラズマ感染症に対しても、高精度な診断が可能となりました。従来のPCR法との比較では、各病原体の陽性一致率は96.0~100%、陰性一致率は96.7~100%と高い診断精度が示されています。

検査費用と保険適用について

本検査は保険適用となっており、3割負担の方で4,500円程度の自己負担となります。保険適用は以下の条件に該当する方が対象です:

  • 新型コロナウイルス感染症を疑われ、38.5度以上の発熱や激しい咳が5日以上続き、原因が特定されていない方
  • 高齢者や糖尿病などの重症化リスクの高い方

※一度新型コロナウイルス抗原検査を受けた患者様は対象外となりますのでご注意ください。 ※当院では従来から実施している抗原検査、NEAR法によるコロナやインフルエンザの核酸検出検査と適切に組み合わせながら診断を行います。

検査の特徴と注意点

本検査は非常に鋭敏な検査方法であるため、例えば1か月前に感染し既に症状が治まっているウイルスや、その時点では症状を引き起こしていない通過性のウイルスなども検出する可能性があります。そのため、検査結果の解釈には専門的な医学的判断が必要となります。

発熱や呼吸器症状の原因が不明でこまっている場合など、検査を実施する適応のある患者さんを優先して実施いたします。

まとめ

1回の検査で15種類もの病原体を同時に検出できる本システムにより、より迅速で正確な診断が可能となり、患者様の治療効果の向上が期待できます。今後も最新の医療技術を積極的に取り入れながら、患者様に寄り添った医療サービスの提供に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。