ADHDとは

 

注意欠如・多動症(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder: ADHD)は、発達水準からみて不相応に注意力の欠如や衝動性・多動性が持続して認められる疾患です。頻度は高く、診断される子どもの割合は学童期の子どもの3〜7%となっています。

 

ADHDにお子さんには

・注意力の欠如

(例:長時間の集中が困難で、他のことに気を取られやすい。)

・強い衝動性

(例:思いつきで行動し、考えずに物事をすることが多い。)

・強い多動性

(例:落ち着かず、いつも動き回ることが多い。)

 

といった特徴がありますが、症状の種類や程度は他の発達障害と同様に実に人によって様々です。

特に年少の小児では元々の発達段階で、注意力や多動性、衝動性にかなりの個人差があるため、初期の段階では、はっきりとした診断がつかず、経過を診ていく必要のある例もあります。

 

ADHDの診断

 

ADHDの診断基準はDSM-5の診断基準によると

①「不注意」と「多動-衝動性)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められる

②症状のいくつかが12歳以前より認められる

③2つ以上の状況において(家庭、学校、職場など)障害となっている

④発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されている

⑤その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されない

となっています。

 

上記の通り、発達障害の診断で最も大切なことは「症状診断」であることです。

つまり、肝臓の数値が悪いや、腎臓の数値が悪いなど、数値や検査所見のみで診断できるものではないということです。

ただ、そうは言っても、発達検査はとても参考になります。例えば、発達障害のお子さんでは、得意な能力と不得意な能力の差が激しいことがわかっており、IQ検査でこれを確かめることが重要です。また、ADHD-RS®やConners3®など学術的に有用とされている検査も多くあります。

当院では、より正確な診断やアドバイスができるように積極的に発達検査を行うようにしています。

ADHDの治療

ADHDの治療には、本人や周囲が特性を理解し社会生活への支障を減らしていく環境調整やお薬による薬物治療があります。

ADHDの薬物療法にはコンサータ®、ビバンセ®、インチュニブ®、ストラテラ®といったお薬があります。これらのお薬をお子さんの症状に合わせて使い分けていきます。

ADHDのお薬は、その子にしっかり合うと、高い効果が得られるケースも多いため、個人的には積極的な使用をおすすめしています。

 

コンサータ®およびビバンセ®は登録医師でないと処方できませんが、院長はどちらのお薬も登録医師となっておりますので、処方が可能です。