お子さんのアトピー性皮膚炎治療に新しい選択肢
ミチーガ®(デルゴシチニブ注射)について


ミチーガ®は、2020年に承認されたアトピー性皮膚炎治療薬です。IL-31受容体拮抗薬という新しいタイプの注射薬で、「かゆみのサイトカイン」と呼ばれるIL-31の働きを阻害することで、かゆみや湿疹を改善します。
ミチーガの特徴
💊 ミチーガの主な特徴
IL-31受容体拮抗薬
かゆみのサイトカインをブロック
かゆみのサイトカインをブロック
皮下注射
4週間に1回の投与
4週間に1回の投与
年齢別用量
13歳以上:60mg / 6-13歳未満:30mg
13歳以上:60mg / 6-13歳未満:30mg
継続治療
効果を維持するための定期投与
効果を維持するための定期投与
🏥 処方について
ミチーガは医師の診察・処方が必要な処方薬です。お子さんの症状や年齢に応じて適切に処方いたします。
ミチーガの作用機序

🔬 かゆみが起こるメカニズム
アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、サイトカイン(IL-4、IL-13、IL-31など)と呼ばれる物質が皮膚のバリア低下や炎症を引き起こします。そのためアトピー性皮膚炎になると皮膚に赤みやブツブツが出たり、強いかゆみが発症します。
💡 IL-31とかゆみの関係
このかゆみの原因となるのがTh2細胞から産生されるIL-31で、別名「かゆみのサイトカイン」とも言われております。末梢神経に発現するIL-31RA(IL-31受容体)に作用することでかゆみを誘発します。
🎯 ミチーガの働き
ミチーガはこのIL-31RAと結合することにより、IL-31との結合を阻害し、かゆみの信号が脳へと伝わりにくくなるためかゆみが抑制されます。
適応症状と治療効果
適応症状
- 中等症から重症のアトピー性皮膚炎
- 既存治療で効果不十分な場合
- 慢性的なかゆみ
- 広範囲の皮膚炎症
投与方法
- 4週間に1回の皮下注射
- 医療機関での投与
- 年齢・体重に応じた用量調整
- 継続的な効果モニタリング
メリット
- かゆみに特化した新しい治療
- 月1回の投与で管理しやすい
- IL-31を直接ブロック
- QOL(生活の質)の改善
注意点
- 6歳以上が適応
- 定期的な検査が必要
- 感染症のリスク管理
- 医師との密な連携が重要
年齢別適応と投与量
6歳以上13歳未満
30mg を4週間に1回皮下注射
体重に応じた用量調整
30mg を4週間に1回皮下注射
体重に応じた用量調整
13歳以上
60mg を4週間に1回皮下注射
成人と同等の投与量
60mg を4週間に1回皮下注射
成人と同等の投与量
投与部位
大腿部、上腕部、腹部
注射部位の回転が重要
大腿部、上腕部、腹部
注射部位の回転が重要
継続期間
症状と効果に応じて決定
定期的な効果判定が必要
症状と効果に応じて決定
定期的な効果判定が必要
※年齢・症状により投与方法が異なります。必ず医師の診察を受けてから治療を開始してください。
従来治療薬との比較
ステロイド外用薬
抗炎症効果が高く、アトピー性皮膚炎の標準治療
軽症から中等症の第一選択、局所治療
抗炎症効果が高く、アトピー性皮膚炎の標準治療
軽症から中等症の第一選択、局所治療
タクロリムス軟膏(プロトピック®)
カルシニューリン阻害薬、顔面にも使用可能
顔面・頸部の維持療法、中等症治療
カルシニューリン阻害薬、顔面にも使用可能
顔面・頸部の維持療法、中等症治療
ミチーガ®(デルゴシチニブ注射)
IL-31受容体拮抗薬、全身治療、4週間に1回投与
中等症から重症、既存治療で効果不十分、特にかゆみが強い場合
IL-31受容体拮抗薬、全身治療、4週間に1回投与
中等症から重症、既存治療で効果不十分、特にかゆみが強い場合
注意事項
投与前の確認事項
- 年齢が6歳以上であること
- 既存治療で効果が不十分であること
- 感染症がないことの確認
- 他の薬剤との相互作用の確認
投与後の注意点
- 注射部位の観察(赤み、腫れ、痛みの確認)
- 感染症の兆候に注意
- 定期的な血液検査の実施
- 効果と副作用のモニタリング
ミチーガに関するご相談
お子さんのアトピー性皮膚炎治療について、ミチーガの適応や使用方法など、お気軽にご相談ください
適切な診察の上で、お子さんに最適な治療法をご提案いたします